【日米でTikTok(ティックトック)が排除?】規制される理由とは?

DEGITAL

最近 CMでよく見かける若者の間で流行しているスマホアプリ「TikTok(ティックトック)」をご存知でしょうか?15秒から1分程度の短い動画を撮影しシェアできるSNSで、10代、20代の若者を中心に支持されています。

分類としてはSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)に当てはまりますが、TwitterやFacebookのように、言葉を交わすコミュニティではありません。TikTokはあくまで「動画を投稿する」ためのサービスです。

それらが日本においてもインドや米国に倣って、TikTok含めた中国の企業が開発したアプリの使用制限を検討しているとNHKが報じているのをご存知でしょうか?インドはすでに中国のアプリを数十件もブロックしており、米国では政府による禁止が検討されています。

具体的には米国とインドの政府職員と同じように、国内ユーザーのデータが北京の手に渡るという懸念を共有し、使用制限の提議を早ければ9月にも日本政府に提出するようです。

今回は「子供の戯れ」以外の何物でもないTikTokが、なぜ禁止対象になるのか?TikTokとは?からその背景と今後の動きをご紹介します。

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TikTokとは?

TikTok(=ティックトック)は中国語名で抖音(=Douyin)といい、中国のByteDance社が開発運営されました。2018年現在、150か国以上・75の言語で利用が可能です。ロゴは「抖音」のピンイン表記「Dǒuyīn」の頭文字「D」に由来しています。

また中国語名の「抖音短视频」のうち「抖音」はビブラート、「短视频」はショートビデオという意味です。

TikTokとはカンタンにいうと、15秒から1分ほどの短い動画を作成/投稿できる、短尺動画プラットフォームです。ユーザーは動画を撮影する際に「0.5倍速」「2倍速」と、速さを調節しながら撮影をしたり、アプリ内に実装されている特殊効果を活用して、ユニークな動画が誰でもつくれるようになっています。

さらに、TikTokのカメラには顔の輪郭を細くしたり、肌を滑らかに修正できたりする機能があり、“盛れる”動画をカンタンにつくれます。

こうして撮影した動画にアプリ内でBGMをつけられるのも大きな特徴 。2018年10月には音楽聞き放題サービスの「AWA」との業務提携が発表され、同サービス内から約25000曲の楽曲を使えるようになりました。

その遊び方とは?

2010年に発売された倖田來未さんの歌う『め組のひと』が、TikTokで大流行。2018年6月のLINE MUSICデイリーランキングで1位を獲得する異例の事態が起きました。

TikTokのスクリーンショット

このブームの大きな要因は、日本人が好きな有名人や曲のモノマネ文化にあります。

たとえば一時期、『め組のひと』の曲中の「めッ!」のタイミングでピースをする振り付けの動画が多く見られました。簡単な振り付けかつ口パクということで投稿のハードルは低く、『め組のひと』を使用した動画の数はなんと40万件以上です。

ユーザーはほかのユーザーの動画を見て、自分なりの工夫を混ぜながらマネを楽しんでいます。

ダウンロード数が世界一に

日本でのTikTok人気は中高生を中心に加熱し、株式会社AMFが発表した「JC・JK流行語大賞2018」のアプリ部門では1位を獲得しています。さらにはアメリカの調査会社「Sensor Tower」によると、2018年第一四半期、App Storeのアプリダウンロード数で世界一になりました。

中国のByteDance社とは?

TikTokを運営しているのは中国の「ByteDance(バイトダンス)」という会社です。

2012年に創業したばかりのスタートアップですが、すでに大ヒットアプリを生んでいます。ByteDanceがリリースした、日本でいう「SmartNews」のようなニュースアプリToutiao(今日頭条)」は、月間アクティブユーザーがなんと2.6億人にものぼります。(2018年時点)

現在は中国国内でリリースしていたアプリの海外展開を進めていて、TikTokのほかにも「Vigo Video」や「Buzz Video」といった動画アプリもリリース。

その勢いはとどまるところを知らず、ByteDance社の企業価値は“ユニコーン企業(評価額が10億ドル以上の未上場のスタートアップ企業)”のうち世界最大クラスとのこと。

TikTokの使い方とは?

TikTokのカンタンに使い方の説明をしていきます。

アプリを開いたらすぐに動画が再生されます。次の動画に行くには上にスワイプ、戻るには下にスワイプをすれば遷移できます。画面右にある赤い「+」ボタンを押すか、左にスワイプすると表示されるアカウント詳細画面でフォローが可能。

また、TikTokで特徴的なのは、公式の機能として動画のダウンロードができるようになっているところ。

画面右の上から4つ目に並ぶ矢印をタップし、「動画を保存」を選択すると端末に動画をダウンロードできます。(投稿者が許可している場合に限ります)

TikTokのスクリーンショット

YouTubeなどと違って、PCからのアクセスは制限されています。スマホからURLを発行するなどの方法でPCからも閲覧はできますが、使える機能はごく一部です。

TikTokのメリットとは?

アプリを起動すると、動物の癒やし動画や赤ちゃんが遊んでいる動画が次々に再生されます。TikTokは見たいものを学んでいて、自分のツボにはまる動画がタイムラインに表示されます。

アプリをダウンロードするだけで、自分が見たいものだけを見られる手軽さが他のSNSに比べて最大のメリットと言えます。

同じ動画アプリYouTubeと比較してみましょう。 youtubeは大体10分〜15分くらいのコンテンツなのでそれを踏まえてみる必要があります。一方で、30秒くらいのTikTokであれば、ただ好きな動画が流れてくる。内容も音と映像がメインなので快適に利用できます。

日米でTikTok排除?

 各紙が7月28日に報じたところによると、自民党内の「ルール形成戦略議員連盟」という会が、TikTokの使用制限を求める提言をまとめる方針のようです。

TikTokは中国のIT会社ByteDance社が開発し、運営している。したがって規制派は、「TikTokを通じて利用者の個人情報が中国政府に渡るおそれがある」としているが、これは米共和党の意向に同調したものです。

既に米国時間7月6日、米国務長官のMike Pompeo(マイク・ポンペオ)氏はFox Newsに対して、北京政府による監視やプロパガンダの道具として使われる懸念があるため、米国政府はTikTokの禁止を「確かに検討している」と述べました。

半導体などの製造業で世界を制覇しつつある中国が、SNSなどのコンテンツ・プラットフォームでも主導権を握るとなると、アメリカにとっては世界的な成功を収めつつあるTikTokに対し何かしらの制限をかけるのもやむ終えずというわけです。

TikTokはスパイ?

TikTok側にも問題はないのでしょうか?パソコンやスマホで、文章をコピーする際に使う一時的な置き場のことを「クリップボード」というが、TikTokがクリップボードに頻繁にアクセスしていることが有志ユーザーによって確認されています。

これはユーザーを利するものではないため、我々の目には“スパイアプリ”だというふうに映リます。「セキュリティ上の懸念」は大きいといえるでしょう。  

中国製アプリの問題点?

 今日ではさまざまなアプリやWebサービスが、ユーザーの個人情報にアクセスしています。Amazonは住所を、Googleマップは位置情報を求めるが、それらは正当な目的のために利用される限り問題になりません。

しかし個人情報の利用に関して、違法とは言えないまでも危険なアプリやWebサービスは存在しています。 例えばFacebook(米国)の「退会」処理は煩雑で、選択肢によっては退会後もネットの行動履歴を追跡されるなど、不誠実な仕様となっています。

また、若者に人気の写真加工アプリ「SNOW」(韓国)も以前、「位置情報を提供するとフィルタの種類が増える」という仕組みを採用していました。このように、個人情報の取り扱いに不審な点があるのは“中国製”に限った話では無いようです。

TikTokはなくなるのか?

実際に政治や経済的目的でTikTokを「なくす」ことが可能なのでしょうか?TikTokを排除できるのは、第一にはAppleやGoogleなど、アプリストアを運営する民間企業になるでしょう。

しかしこれらの企業がTikTokを「ユーザーに害をなすアプリ」だと判断してリジェクト(拒絶)すれば、TikTokのサービスは段階的に利用できなくなるでしょう。しかし、スパイ行為の証拠がないものを排除するのは困難です。

特定の国で開発されたことを理由にアプリの審査が通らないとなると、その影響は甚大で、業界全体が萎縮してしまいます。つまりAppleにしてもGoogleにしても、現時点でTikTokを制限することはできず、結果として各国が法律で規制することになりますが、現時点では「TikTokがスパイ行為をしていた」と判断できるまでの証拠はなく、名指しで禁止するのは難しいでしょう。

故に「TikTokがなくなる」のではなく、他のアプリを含め、「個人情報の収集範囲を今より制限する」法律が設置される可能性が高いと思われます。

まとめ

今回は話題のTIKTOKの基本から規制対象になる背景などをご紹介しました。

SNSがデジタル社会の窓口ツールとして飛躍的進化を遂げる中で、個人ではなく世界レベルで社会経済が覇権を取り合うからこそ、ある意味戦争のような状態が起きるのもやむ終えないことかもしれません。

私たちはこうした情報プラットフォームをただ送受信の手段として利用するのではなく、必ずこうした背景があるからこそ、どういった目的で情報リテラシーを踏まえた上で知見を養っていくことが求められていくでしょう。

正しい知識と技術で快適な利用を心がけていきたいですね^^

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