今では誰でも、かんたんにはじめられるようになったネットショップですが、ネットショップを開業するためにはどのようなモノが必要なのか?「何から手をつけていいかわからない!」「情報が多すぎてわからない」など不安なことも多いでしょう。
そんな不安を解決するために今回は、ネットショップの開店に必要なノウハウをご紹介します。
ご不明な点はネットショップ・ECサイト構築についてまでお問い合わせください。
実店舗とネットショップ(ECサイト)の違いとは?
実店舗とネットショップ(ECサイト)の比較
実店舗の経営とネットショップの運営では、「お客様に商品を販売する」という共通点はありますが、必要となるものや、お客様との接し方など、実に多くの違いがあります。違いをまとめましたので、下記をご覧ください。
実際の店舗での開業から販売までにすること
(1) 土地の上に建物を建てる
↓
(2) その建物に内装を施す
↓
(3) 販売する商品を陳列する
↓
(4) お客様が直接店舗を訪れる
↓
(5) 商品を直接手に取る
↓
(6) レジでお会計を済ませる
上記のような流れが一般的です。
では、ネットショップではどうでしょうか?
ネットショップ(ECサイト)での開業から販売までにすること
(1) パソコンをインターネットに接続する
↓
(2) さらにインターネット上にネットショップを公開するスペース(土地)を確保する
↓
(3) ネットショップの内装をおこなう(専用のシステムが必要)
↓
(4) 販売する商品をレンタルサーバー上に登録し、商品ページを生成する(専用のシステムが必要)
│ また実店舗と違い、視覚のみで商品の魅力を伝えるので、商品の説明文や写真でアピールする
↓
(5) 広告やSEO、口コミ(SNS)などでお客様をネットショップに呼び込む(集客)
↓
(6) ショッピングカートシステム(実店舗でのレジにあたるシステム)を使い、
│ お客様自身に個人情報を入力してもらい注文を完了してもらう
↓
(7) 商品を梱包し配送作業をおこなう
比べてみても、これだけの違いがあります。
実店舗とネットショップでは、開業までに必要な準備も、お客様が実際に商品を見ているときに、どのような反応をしているのか確認することができないので、商品のアピール方法も変わってくるのです。
ネットショップ(ECサイト)開業から販売までの流れ
1. インターネットへの接続
ネットショップを開業するには、まずパソコンをインターネットに接続するところからスタートします。
インターネットに接続するためにプロバイダー(インターネット接続事業者 ※1)との契約が必要であり、ネットショップを公開するのに必要なスペース(土地)が事業者と契約して借りるレンタルサーバーです。
プロバイダーが必要なスペースを提供してくれる場合もありますが、商用目的での利用が禁止されていたり、SSL(個人情報・クレジットカード情報などの大切な情報を暗号化して送受信する仕組み) に対応していなかったりなどのデメリットが多いため、ネットショップの公開にはレンタルサーバーの利用をおすすめします。
(※1) インターネットに接続するとは?
インターネットという仮想空間の中で、必要な情報にたどり着くまでの「道」をインターネット回線(光回線・ADSL・CATVなど)と呼び、このインターネット空間への入り口でIDやパスワードを発行しているのがプロバイダーというインターネット接続事業者です。
プロバイダーと契約しないと、インターネットは使えません。
2. レンタルサーバーとの契約
インターネット上の「土地」にあたるレンタルサーバーの種類は、大きく分けてふたつあります。
・ひとつのサーバーを丸ごと利用できる「専用サーバー」
・複数のユーザーで利用する「共用サーバー」
それぞれのメリット・デメリットを見てみましょう
専用サーバー(大規模向け) | 共用サーバー(小規模向け) | |
---|---|---|
メリット | 自由度が高いため、さまざまなことができる | 低価格で専用のツールが用意されているので、はじめてでもかんたんに利用できる |
デメリット | 高価格でメンテナンスは自分たちでおこなうため高度な技術が必要 | ほかの利用者の影響を受ける |
初めてネットショップを開業するのであれば、専用サーバーと比較して「低価格」「サーバー管理が不要」という観点から、「共用サーバー」がおすすめです。
レンタルサーバーの契約と同時に独自ドメイン も取得しておきましょう。
ドメインとは、「abc.com」や「abc.co.jp」など、お店のURLになる部分のことです。
ドメインは実店舗での「住所」にあたります。
共用サーバー全体で使うドメインを「ドメイン」、世界でひとつだけのオリジナルのドメインについては「独自ドメイン」や「オリジナルドメイン」と呼びます。
3. ネットショップ(ECサイト)のデザイン
建物部分が揃ったところで、ここから実店舗での内装にあたる、ショップのデザインをおこないます。ショップ制作(サイトデザイン)をおこない、できあがった店舗に商品を配置していきます。
サイトのデザインや商品の陳列には専用のシステムが必要です。
レンタルサーバー上に商品のページを作っていき、装飾をしていくのです。
4. ネットショップ(ECサイト)でのお会計
実店舗でのお客様の来店(集客)・レジでの会計ですが、これにもシステムの導入が必要です。実際の店舗ではお店の前を通りがかったなどの自然集客が可能ですが、インターネット上ではそうはいきません。
まずはショップのことを知ってもらい、さらに「このお店にくれば○○が買える」ということをお客様にアピールする必要があります。
ネットショップのレジは通常のお会計(決済方法)以外に「配送方法」や「梱包方法」を確認しなければなりません。
一般的に実店舗での「レジ」の部分をネットショップでは「ショッピングカート」と呼びます。
商品が売れてからお客様に届けるまでの流れ
お客様から注文を受けたら、指定された決済方法(銀行振り込み・クレジットカード・払いなど)と配送方法で処理をすすめていきます。
入金の有無、商品の梱包などをおこない、配送業者に商品を引き渡します。
※配送の種類と方法については別ページの配送業者の選び方とポイントにて詳しく解説しています。
実店舗のように目の前で梱包するのと違い、お客様は注文がどのように処理されているのか分かりません。注文を受け付けたときや商品を発送したときなど、それぞれ処理の過程で、お客様にメールや電話で経過報告をおこないます。
ネットショップの「注文から発送」までの一連の作業をおこなうには、お客様に自動でメールを送ってくれるなどの機能を持ち、煩雑な作業が軽減される、受注管理システムがあると便利です。
受注管理システムとは?
受注管理システムとは、ネットショップ運営者の作業効率をアップさせるためのシステムです。おもな機能としては、
1. 注文を受ける(受注)
2. 入金の処理(振込があった注文をマーク、クレジットカード決済の処理状況を反映など)
3. 商品の出荷指示(配送伝票の印刷、メールでお客様にお知らせなど)
この3つがあげられます。
一連の販売管理業務をサポートするため、様々な帳票や納品書・請求書の出力機能などを搭載したサービスもあります。
代表的なサービスにはCROSS MALL(クロスモール)、ネクストエンジン、TEMPOSTAR(テンポスター)などがあります。
ネットショップを複数管理している場合などは、それぞれ異なるシステムで管理をおこなうと、効率が落ちてしまうため、受注管理業務をまとめて行い、事務作業を効率化することが重要といえます。
実店舗とネットショップ(ECサイト)のメリット・デメリット
ここで、改めてネットショップと実店舗のメリット、デメリットを整理して表にしてみましたので、ご覧ください。
実店舗とネットショップ(ECサイト)比較表
実店舗 | ネットショップ | |
---|---|---|
販売エリア | 店舗周辺の地域 | 全国・全世界での販売が可能 |
お客様の 安心感 | 直接商品を見て、触って確かめているので、ギャップが少なく安心感がある | 直接商品を見ていないため、写真と実物が違うなどの不安がある |
集客方法 | 口コミ、通りがかったなど、自然にお客様が訪れる(自然集客) | 自然にお客様が訪れることはほぼないため、集客のための施策が必要(メルマガ、ダイレクトメールなど) |
商品の配送 | 基本的に不要 | 商品に合わせた配送方法が必要(大型商品・クール便など) |
営業時間 | 開店時のみ販売が可能 | 年中無休・24時間営業 ※注文を受けるためのシステムがある場合 |
商品の説明や アピール方法 | お客様自身が実際に手にとって判断、試着や試飲もできる | 商品写真や説明文、実際に購入した方からのレビューなどからイメージして判断する |
商品への質問 | 店員に直接質問できる | 電話やメールでの問い合わせ |
開業にかかる 費用 | 外装・内装費ともに高くまとまった資金が必要 | 内装費(ネットショップ作成にかかる費用)のみで、人件費も含めて実店舗より低価格で開業できる |
ネットショップ(ECサイト)のメリット
1. 営業時間
ネットショップと実店舗を比較した際のメリットとしてまずあげられるのが、営業時間を考慮しなくていいということです。
■ネットショップ:365日24時間営業(システムで対応可能)
■実店舗:10時~22時、定休日あり
と言った具合に、お客様は買いたいときにいつでも商品を買うことができます。
実店舗では営業時間外のため、ターゲットとならない顧客層にも、買ってもらえる機会が増える可能性が広がります。(販路拡大)
2. 開店までにかかる費用
店舗の家賃と同様、ネットショップ開店にも費用はかかりますが、 実店舗と比べても低予算での開業が可能です。
実店舗の場合には、事務所や倉庫の家賃が発生し、家賃は通常大きさや立地によりますが、都内であれば15万~50万程度、さらに、商品を陳列する什器や棚なども準備する必要があるでしょう。
対照的に、ネットショップの場合、事務所や倉庫は自宅でもよく、陳列する什器や棚も見栄えのいいものは不要です。
そのほかに、立地という物理的な制限がないので、海外のお客様に商品を販売できますし 、実店舗ほど陳列スペースを考慮しなくてすむため扱える商品数も増えます。
ネットショップ(ECサイト)のデメリット
1. お客様との接点
実店舗では、お客様と直接向かい合っての対面接客ができますが、 ネットショップでは、実際にお客様の顔を見て販売できるわけではありません。
実店舗のように、来店時に営業をして、販売することはできないので、商品ページの写真の見せ方や、説明文の表現方法で購入を判断されてしまうのです。
購入後のサポートも、基本的には電話やメールになるため、お客様の立場に立った細かな気配りが必要です。
2. 価格競争
実店舗と比較して、ネットショップは価格競争になりやすいという点があります。
ほかの店舗が同じ商品をいくらで販売しているのか、容易に比較できてしまうためです。
3. 集客
そのほかに、実店舗と違いフラっとお客様が立ち寄ってくれる可能性もないため、集客も必要です。
しかし一度気に入ってもらえれば、実店舗と同様に、リピーターになってもらえますので、ネットショップの開業当初は最初にお客様を呼びこむところが重要と言えるでしょう。
ネットショップ(ECサイト)の種類と特徴
いざネットショップを開業しようと思ったとき、多くの方が最初に悩むのが「どのようなシステムを使ってネットショップを開業・運営していくのか」ということです。
最近は多くのネットショップ構築サービスがあります。お店の規模やコンセプトなどの運営方針、予算などなど、自分に合った方法を選ぶことがとても重要です。
ネットショップ(ECサイト)構築サービスの種類と一覧
ネットショップを開業するサービスは大きく分けて4つ。
それぞれについて解説していきます。
・パッケージソフト
・レンタルショッピングカート(ASPサービス)
・モール(ネットショップ出店ASPサービス)
・専用システム構築
代表的なサービス一覧
パッケージソフト | レンタル ショッピング カート(ASP) | モール (ネットショップ 出店ASPサービス) | 専用システム構築 |
---|---|---|---|
ホームページ・ビルダー22 など | MakeShop カラーミーショップ ショップサーブ FutureShop たまごリピート e-shopsカートS BASE STORES.jp など | 楽天市場 Yahoo!ショッピング ヤフオク! Amazon ポンパレモール au PAY マーケット eBay GLOBAZONE ZOZOTOWN ぐるなび食市場 など | コマース21 ecbeing EC-CUBE EC Direct EC-ORANGE Zen Cart カゴラボ ebisumart など |
パッケージソフト
パッケージソフトとは
パッケージソフトとは、ネットショップ(ECサイト)構築に必要な基本的な機能をあらかじめ備えたソフトで、レンタルサーバーなどを借り、インターネット上に自分たちのネットショップを開くためにもちいます。
パッケージソフトで代表的なものに「ホームページ・ビルダー21」が挙げられます。
これらのソフトは買い切り型と呼ばれ、家電量販店や通信販売で入手できます。
ソフトによっては、独自ドメイン(https://お店の名前.comなど)を利用して開業することもでき、イメージとしては一戸建ての路面店を建設するようなものです。
パッケージソフトの特徴
パッケージソフトの特徴は、ネットショップの開業~運営に必要なシステムをパッケージ化しており、製品によって内容は異なりますが、おもな機能としては、
・ショップページの自動生成機能(商品を登録し、ページを増やしていく)
・ショッピングカート機能(CGIというプログラムで作られる)
・受注管理機能(注文やお客様の情報管理をおこなう機能)
などが一般的です。
パッケージソフトのメリット
パッケージソフトのメリットは、ネットショップの開業方法としては比較的安価で、ネットショップはレンタルサーバー上に公開しておき、注文データを手元のパソコンや専用のデータベースでわかりやすく管理することが可能という点があげられます。
また、ベースとなるシステムはありますが、それを基にして、ある程度自由に自社の運用を考慮した仕様変更が可能です。
パッケージソフトのデメリット
パッケージソフトによっては自分たちに必要な機能が足りない場合もあります。
さらに、更新によるシステムの改修費用がかかるという点も考慮する必要があります。
(3年~5年に一度程度)
たとえば、近年ネットショップではスマートフォン経由の注文が増加しており、ソフト購入時から自動でバージョンアップがおこなわれないパッケージソフトは、都度対応が必要となり、安いとはいえ、ショッピングカートよりも価格は高めのため、初期費用をおさえたいショップには不向きといえるでしょう。
また、自由に変更はできるものの、専門知識が必要になります。
そのため、開業までにかかる期間は、次にご紹介するレンタルショッピングカートより長くかかります。
レンタルショッピングカート(ASP)
レンタルショッピングカート(ASP)とは
ASPとは、アプリケーション・サービス・プロバイダーの略で、パソコンにソフトをインストールすることなく、InternetExplorerやGoogleChromeといったウェブブラウザー上で利用する、プラットフォーム(サービスの基盤)の名称です。
その中でも、ネットショップ運営のためのショッピングカートや受注管理システムを提供するサービスを、レンタルショッピングカート(ASP)と呼びます。
パッケージソフト同様、一戸建ての路面店として運営していくタイプのネットショップ開業サービスです。
レンタルショッピングカートの特徴
レンタルショッピングカートの特徴は、多くの事業者がサービスを提供していますが、価格や機能の違いなどを見ていくと、ふたつのタイプに分類できます。
【1】ネットショップのページはパッケージソフトの場合と同様にレンタルサーバーを契約してそこに公開し、ショッピングカート画面以降の受注システムを借りるタイプ
【2】ショップページの作成から受注管理の機能まで
まるごと提供している高機能タイプ(高機能ASPサービス)
【1】のタイプのレンタルショッピングカートの場合
基本的にASP側から提供されるものはショッピングカート部分のみで、商品ページなど、ネットショップの内装部分はホームページ・ビルダーなどのホームページ作成ソフトなどをもちいて自分たちで制作します。
そこに商品をショッピングカートへ入れるためHTMLタグを記述し、連動させます。
【2】のタイプのレンタルショッピングカート(高機能ASPサービス)では
・サーバー
・商品ページの自動生成機能
・ショッピングカート
・受注管理機能
これらがすべてパッケージ化されおり、開業までの難易度が低く、初めての方でも導入しやすいという特徴があります。
提供されるサービスによってかかる費用はさまざまですが、次に解説するモールに比べると比較的低価格であるといえます。
代表的なサービスに、MakeShop・ショップサーブ・カラーミーなどがあります。
契約プランによっては必要な機能が足りないことや、利益に対して手数料がかかってしまうこともあるので、申し込む前に、なにをしたいのかということと、欲しい機能があるのかをじゅうぶん確認したほうがいいでしょう。
機能やサービスの違いについては、下記の【2020年版】ネットショップの開業サービス徹底比較! にて詳しく記載していますので、あわせてご覧ください。
レンタルショッピングカートのメリット
レンタルショッピングカートのメリットは、デザインが自由におこなえることや、モールで起こりがちな価格競争に巻き込まれにくいこと、また月額費用などが安いため、利益率は高くなります。
さらに、顧客の会員情報は全て自社のものになるため、獲得した顧客リストに自由にメルマガやDM、ポイントなどのキャンペーンを実施できます。
必要なシステムやセキュリティーも、常にサービス事業者によって更新されるため、自分たちで費用をかけ対策をおこなわなくとも、最新の環境での運営が可能です。
ネットショップ開業までに必要なものがパッケージされているため、難易度は低く、はじめての方でも導入しやすいという特徴があり、パッケージソフトや専用システム構築に比べ、短期間でオープンできるところも魅力です。
レンタルショッピングカートのデメリット
デメリットとしては、初めてネットショップを開業する場合は知名度が低いためモールに出店するより集客は難しくなる点でしょう。
また、すでに基幹システムを導入しており、ネットショップとの連携をおこないたい場合、別途開発費用がかかることがあります。
機能についても、集客、運営・管理、リピート対策など必要なものは揃っていますが、基本的には個別のニーズに対応した形になっていません。
扱っている商品が特殊で自由に設定したい場合で月商の売上が億を超えるレベルなら、ほかサービスを検討したほうが無難でしょう。
無料カートと有料カートの違いとは
次に、有料・無料のショッピングカートの違いをまとめました。
まず大きく違うのは、容量・デザインテンプレート・集客機能・独自ドメインの4つです。
容量は大きければ大きいほど、扱える画像の枚数や商品の数が増えるので表現の自由度が増し、少なければ制限されます。
デザインテンプレートは初心者に必須の機能ですが、無料のショッピングカートであればレイアウトのパターンが少なく、有料のショッピングカートほど自由度がありません。
集客機能については、有料のショッピングカートにあるようなプロモーション機能は無料のショッピングカートにはほとんど無くSNSからの集客がメインになります。
最後に、独自ドメインの標準対応です。
有料のショッピングカートと違い、無料のショッピングカートで独自ドメインが設定できる事はほとんどなく、別途有料のプランにする必要などがあります。
無料カートと有料カートどちらがいいの?
これは運営するネットショップの方針で変わりますが、無料のショッピングカートは主に個人のお小遣い稼ぎなど副業として運営する場合に向いているといえます。
初期費用や月額費用をかけずに出店ができる点や、有料カートの多機能を使うほど大規模な運用を個人でおこなうことがほとんどない点が理由です。
有料のショッピングカートは法人向きですが、個人でも本格的にECサイトの運用を考えている場合などは有料カートの方が向いているといえるでしょう。
モール(ネットショップ出店ASP)
モール型ECサイトとは
モール(ネットショップ出店ASP)とは、多数のネットショップを集めた、インターネット上のデパートのようなものです。「デパートに1テナントとして出店」するというとイメージしやすいかもしれません。
モール型ECサイトの特徴
モールの特徴は、取り扱っている商品点数が多いため、それに比例する形で見ているユーザー数も多いことです。また、高機能ASP同様に、ネットショップ開業から運営に必要な機能はほぼすべて提供されます。
そのためパッケージソフトや専用システム構築に比べて、難易度は低めです。
代表的なサービスは、楽天市場・Yahoo!ショッピング・Amazonなどがあります。
独自のポイントシステムやデザインなどオリジナリティを出すことに制限があり、モール内のルールに沿って運営していくという特徴があります。
モール出店のメリット
モールのメリットは、主要モールは知名度が高く、集客しやすいというメリットがあります。
また、ネットショップ開業に必要な機能があらかじめ用意されているため、専門的な知識がなくてもできて、レンタルショッピングカート同様、短期間での開業が可能です。
モール出店のデメリット
デメリットとしては、出店数が多いため、自分のショップがほかのライバル店の中に埋もれてしまう可能性があります。
ライバルショップが多いために値下げ競争になったり、モールの独自ルールによりショップデザインが制限されオリジナリティが出せなかったり、独自のプロモーションやお客様へのアプローチに制限があります。
たとえば、会員情報はモール側にて管理されるため、メルマガなどの販促施策が個別でおこなえず、リピーターの獲得が難しい点などがあげられます。
また、売れるたびに手数料がかかるため、レンタルショッピングカートなどと比較した際には、利益率が低くなる傾向があります。
楽天市場について
国内ECサイトにおける流通規模ランキングの1位である楽天市場ですが、その流通規模は3.9兆円(2019年第4四半期(19年1月~12月)連結決算)と圧倒的。
他モールと比較した際のメリット・デメリットについてですが、メリットはやはり圧倒的な集客力でしょうか。
楽天お買い物マラソンや、楽天スーパーセールな大規模なイベントの際にはTVCMを打つなど、集客への支援が大きいです。
デメリットとしては、コストが大きいことでしょう。
初期費用~月々の出店費用、メルマガ配信などにもコストがかかるので、他のショッピングモールと比べても圧倒的にコストがかかります。
Yahoo!ショッピングについて
Yahooグループとしての国内EC流通は2兆6,673億円(参照:日本流通産業新聞9月19日号)で楽天に次ぐ位置づけですが、Yahoo!ショッピング単体の売上高は7,314億となり国内3位。
他モールと比較し圧倒的なメリットは、出店にかかる初期費用が無料ということ。
システム利用料や売り上げ手数料も無料(Tポイントやアフィリエイト手数料など原資負担分はあり)で、メルマガ配信の費用も無料など出店のしやすさが魅力。
ただし、この無料化に伴い出店店舗数が急増したため競争が激しいところがデメリットでしょう。
Amazonについて
Amazonジャパンの国内EC流通は約1.7兆円で、Amazonマーケットプレイスの流通総額は9,000億円と国内2位の位置づけです。
Amazonへの出店のメリットは、その知名度の高さと出品のかんたんさ。広告を打つ必要がない集客力はかなりの魅力になるはずです。
一方でデメリットとしては価格競争が激しく消耗戦になってしまいがちなところでしょう。
また、手数料も8%~45%と高く、出品する商品によっては商品の3割~4割を持っていかれることもあります。
独自の専用システム構築
専用システム構築とは
専用システム構築とは、法人向けのサービスで、好きなようにカスタマイズしてネットショップを作ることができるサービスです。
自社ビルにてネットショップを運営していくイメージです。
専用システム構築の特徴
専用システムの特徴は、ゼロから自社のやりたいように作るので、当然自由度はいちばん高いということと、とにかくコストが桁違いにかかるということです。
また、パッケージソフトやレンタルショッピングカートと同様に、最初からお客様がいるところへ出店するわけではないので、集客に多くの労力もかかります。
代表的なサービスは、EC-CUBEで、集客機能がついたプレミアムプランは初期費用が60万円~で、月額費用も1万8千円となっています。
専用システムのメリット
メリットとしては、ショップのデザインやコンセプト、運営方針など自分にピッタリ合ったショップがイチから作れるという点があげられます。
基幹システムとの連携など、実店舗で言うところの間取りが、自由に設計できるのです。
専用システムのデメリット
デメリットは、専用システム構築では基本的にイチからネットショップを作るので、開業するには数百万~数千万の資金が必要です。
また、システムを保守・更新するたびにも、高額な改修費用が発生します。
相応の売上が見込める大企業以外は導入のハードルが高く、選択肢には入らないかもしれません。
レンタルショッピングカートやモールと比較しても、管理する手間や導入までにかかる期間、運営して行くうえでの難易度などを考慮すると、高額な割に価格に見合った優位性が失われつつあると言えるでしょう。
各サービスの導入までの費用と難易度
サービスの種類 | 初期費用 | 月額費用 | 難易度 (知識・経験の必要度) |
---|---|---|---|
パッケージソフト | 数十万~数千万 | なし 一部手数料あり | ★★☆ |
レンタルショッピングカート | 0円~数十万 | 数千円~ 5万円程度 | ★☆☆ |
モール | 数万~ | 数万~数百万 | ★☆☆ |
専用システム構築 | 数百万~数千万 | 数十万円~ | ★★★ |
このようにそれぞれに特長がありますが、これらの製品やサービスの違い、メリット・デメリット をよく理解した上で、自分に合ったシステムを選ぶことが重要です。
それぞれの違いを理解しないまま、なんとなくということでシステムを決めてしまうと、
■売り上げと諸費用が見合わず赤字になってしまう
■必要な機能やサービスが足りないため、ほかの製品・サービスへ乗り換える
このように余分な労力とお金を浪費してしまうことに繋がりかねません。
そうならないために、現在の人員や今後の見通しをたてた上で、最適なサービスを選択してください。
ネットショップ(ECサイト)開店までに必要な機材
開店までに必要な機材とは?
ネットショップを開業することが決まったけど、一体何が必要なのかわからないという方は非常に多いです。開店までに必要な機材は大きくふたつに分けることができます。
ひとつ目はサーバーなどのサービス事業者との契約が必要なもの、ふたつ目は自分たちで揃えることができるパソコンや撮影機材などです。
下記に必要なものをまとめてみました。
最低限記載しているものは用意しておきましょう。
サービス事業者との契約が必要なもの
1. レンタルサーバー
2. ドメイン ※ページ下部で詳しく解説します。
3. ショッピングカート
4. 決済システム
5. メールシステム
6. 受注管理システム
7. 顧客管理システム
8. 商品・在庫管理システム
自分たちで揃える機材
1. パソコン
2. プリンタ
3. スマートフォン
4. 各種ソフト
5. 梱包資材
※サービス事業者との契約が必要なものについては、どのようなネットショップ構築サービスで開業するかにより異なります。
機材は価格でなく、自分にあったものを!
サービス事業者との契約が必要な機材は、提供されるサービスの種類によって異なります。
たとえばショッピングカートだけを借りるのであれば、レンタルサーバーやドメインなどは自分たちで用意する必要がありますし、高機能ASPショッピングカートやモールに出店するのであれば、自分たちで用意するのは配送方法や決済方法のみです。
※配送方法と決済方法については、下記のページで詳しく解説しています。
一方、自分たちで揃えるネットショップの運営に最低限必要な機材は、「パソコン」「プリンタ」「スマホ」の3つです。
すでにこれらの機材を持っている場合、改めて新製品を購入する必要はありません。
「ネットショップ運営をするためには高性能パソコンやデジカメが必要なのでしょうか?」こうした疑問をもつネットショップ初心者の方は非常に多いのですが、下記解説します。
パソコン
デスクトップ型とノート型どちらでもかまいませんが、ネットショップ運営をおこなっていると、長時間モニターの前で過ごすことになるので、できるだけ大きなモニターがあれば作業も捗るでしょう。
すでに個人でノートPCやタブレットをお持ちの場合、これで十分です。業務用に用意しなくても問題ありません。
プリンタ
商品配送時に同梱する納品明細書や領収書を印刷するときに使用します。
インクジェットプリンタ-でじゅうぶん対応できますが、印刷速度の速いタイプのものを選ぶと作業も捗ります。
スマートフォン⭐️
商品撮影に欠かせないデジタルカメラは以前は主流でした。しかしながら現在ではスマホのカメラの精度が高くそれで十分です。機種によってはポートレート機能もついており、どうしてもスタジオで1眼レフで撮影したいと言った商品以外であればデジカメは不要です。
それ以外にもスマホならではのメリットがあります。
デジカメの場合は撮影したデータをパソコンやスマホに取り込んでサイズを修正したりWEB上へのアップロードに手間がかかります。しかしスマホ1台さえあれば、スマホ内のアプリで画像の加工や文字入れなど、アップロード用のASPもついており、撮影〜加工〜アップロードまで、同じ画面上で完結です。
ネットショップではPOPと言った広告用のチラシ作成が必要です。そのための文字入れなどは、直感的に操作できるスマホ用のアプリの方が利便性が高く、快適なのでぜひお試しください。
裏話ですが話題のyoutuberさんたちも、実は動画撮影に使っているのはiphoneだったりします。ご存知でしたか?デジカメやビデオカメラは機能が撮影に特化していたツールであることが、最大のデメリットです。
これからの時代はUI(ユーザーインターフェース)の高い、いかに最低限の工数で最大の効果を埋めるか、、、
つまり「時間の価値」を非常に大事にしているんです。ここはあらゆるケースで心がけておきたいデジタル分野のポイントでもあります。
各種ソフト
ネットショップの準備・運営をおこなっていくうえで、画像編集ソフトやセキュリティソフトは必須です。
大切なお客様の住所をはじめとする個人情報をお預かりするので、セキュリティソフトは入れておきましょう。
また、商品画像の良し悪しは売れ行きを左右します。
画像編集ソフトでは、Adobe社が販売している「Photoshop(フォトショップ)」や「Illustrator(イラストレーター)」が有名ですが、2020年以降はこちらもスマホ用の画像加工アプリで十分です。
梱包資材
ネットショップで注文した商品が手元に届き、わくわくしながら包装を開けたら中身が破損していた。
もし初めて注文いただいたお客様であれば、恐らく二度と購入してもらえないでしょう。
実店舗とは違い、ネットショップではお客様に直接御礼を伝える機会はありません。
またこのショップで買いたいと思ってもらえるように、梱包は丁寧におこないましょう。
商品の大きさや、クール便などの温度帯により準備すべきものが変わってきますが、基本的には下記の資材があれば対応できます。
・配送袋(利用頻度は一番高い梱包方法です)
・ダンボール(大型商品やわれものなどの壊れやすい商品を梱包)
・ガムテープ(配送袋やダンボール閉じる際に使用します)
・エアキャップ(こわれやすい商品を保護します、プチプチとも呼ばれます)
・結束資材(紐などを使い、荷崩れを防ぎます)
・ラッピング用品(プレゼント用、のしなど)
そうだったのか!準備しておきたいドメインについて
ドメインとは、一言でいうと「サイト(ネットショップ)の住所」です。役割は、大きくわけて二つあります。
一つ目は上述している通り「ドメイン」は自分のネットショップの住所(URLの一部)となり、会社のホームページやネットショップを持つ際に必須となります。
二つ目に「ドメイン」は、メールアドレスにも利用されています。
たとえば、多くの人が利用している「Gmail」
メールアドレスは「○○○@gmail.com」となっていますが、「@」以降の文字列が「ドメイン」です。Gmailの場合、「gmail.com」ということです。
ドメインにはいくつか種類があります。
たとえば、「makeshop.jp」では、「.jp」に属したドメインになります。
この「.jp」が、ドメインの種類であり、正式には「もっとも最上位の階層である ”トップレベルドメイン” 」と呼ばれています。
よく利用されている「ドメインの種類」としては『.com』『.net』『.co.jp』『.ne.jp』
この中でも、『co.jp』 は法人(企業)でないと取得できません。(corporation)
また、ひとつの法人でひとつしか取得できません。
ne.jp は、プロバイダーなどのネットワーク事業者が利用できます。(network)
なお、ドメインは、誰でも取得することが可能です。
ドメインは世界にひとつだけなので、すでに誰かが取得しているドメインについては、取得することができません。
たとえば「makeshop.jp」というドメインは、すでに取得・利用しているので、誰も「makeshop.jp」に関しては、取得することができません。
早いもの勝ちということです。
価格は、ドメインの種類によって異なりますが、トップレベルドメイン以前の文字列をどのように設定しても価格は変わりません。
例)下記のようなドメインを取得したい場合、1、2ともに『.com』のドメインの利用料金で取得できます。
1. ○○○.com
2. △△△.com
最後に、ドメインはどこで取得できるかについてですが、『ドメイン管理会社』などで取得することができます。
ドメインの登録申請を、代理で受け付けている事業者のことで、取得後のドメイン管理も担っています。
代表的なサービスにお名前.com(GMOインターネット株式会社)などがあります。
まとめ
いかがでしょうか?
ネットショップの基礎的な知識はご理解いただけましたでしょうか?
正直よく分からない企業や個人の方であれば、初期費用をある程度おさえつつ、すぐに始められるショッピングカートASPがおすすめです。
おすすめの理由は、初期費用、月額費用ともにいちばん安いわりに、決済や運営だけでなく、売上をあげる機能まで必要な機能がすべて揃っているためです。また導入時のノウハウ習得は必要ですが、運用が始まればその経験や失敗を経て、1年後には社内のデジタル人材は揃っているはずです。
安易に失敗を恐れて全て外注してしまうと、顧客が付きはじめて、売上が上がった時に、益々システムや物流のノウハウが分からず、さらにはASP利用料とカード手数料以外に外注先から「手数料がXX%あげたい」と交渉されるため危険です。
重ねますが、リアル店舗が縮小し、ネットビジネスが拡大し続ける未来しかありません。AIやデジタル化が加速する中で、使いこなす人材育成は必要不可欠です。
ショップ側の適切な事前対応で、ショップとお客さまの間に生じるトラブルも回避して快適なお買い物のお時間を提供していきましょうね^^
フォリビーではネットショップ・ECサイト構築サービスとして、あらゆる業態・商材のECビジネス、デジタルマーケティングをサポートしています。
特徴としては、業務委託以外にもアドバイザー契約も可能です。外部委託する場合、ノウハウや知見が第三者を介したものになりますが、社内で構築することで人件費は発生しますが、ノウハウは全てフォリビーがご提供しますのでご安心ください。
やってみると「意外と簡単?」「カスタマイズも容易!」「社内に知見が残り人材育成にも役立った」などのお声も頂いています。
開発費とランニングコストは外注の半分以下です。しかも、他社よりも高自由度で、顧客データを保持してリピーター促進に活用できるほか、Instagram連携や送料無料ラインの自由設定も丁寧にご説明いたします。
デジタル化が加速する中で、デジタルを使いこなす人材育成は重要です。ご不明な点はお気軽にネットショップ・ECサイト構築についてまでお問い合わせください。
コメント